184号 今天国、今地獄

1.今回(184号)は、「今天国、今地獄」です。
人生は、多くの場面でオーバーラップしていると思います。
例えば、会社をリストラされた方が、美味しいサンマで御飯をいただいているとき。
リストラの苦渋と、秋刀魚御飯の喜びが共存しています。
そのとき、リストラに思考をシフトするか、秋刀魚御飯にシフトするかは、選択の問題と思います。
天国、地獄は、「今このとき」にあり、「今このとき」が続いているのが、人生と私は思います。
もちろん、将来に対する不安が強いときもあります。
そんなとき、例えば、お金に敏感な方でしたら、「こんな心配、一円にもならないなあ。」と考えることも出来るでしょう。                                                        

計画的な事業承継を~中小企業における相続対策~

 昨今、中小企業経営者の平均年齢は約57歳まで上昇し、高齢化が進んでおります。経営者の引退予想年齢は約67歳とみられているため、今後10年の間に、多くの中小企業が世代交代を余儀なくされることとなるでしょう。このような状況から、近時、事業承継をどのように行うかという問題が話題を呼んでおります。

 多くの中小企業の経営者の方は事業承継対策は相続税対策くらいしか考えていないことと思います。しかし、ハッキリ言って事業承継対策が相続税対策だけでは不十分です。
 例えば、経営者が急死してしまった場合、しっかりとした遺言書が作成されていれば良いのですが、事業承継対策をしていなかったとなると、遺言書がない、遺言書に不備があるといったことがよくあります。このような場合、相続人が複数いれば、通常は各相続人に権利があります。遺言書がなければ法律に定められた相続分が各相続人に認められるからです。

 ここで具体例を挙げます、経営者XにA、Bという2人の子がいて(Xの法定相続人はA、Bのみといたします。)、Aは会社の経営に長年かかわってきたが、Bは家出同然に出てしまっていたという例です。Xが普段からAに経営権を譲ると言っていたとしても、Xの遺言書がなければ相続分は通常AB平等です。そうすると、AB間で争いが生じる可能性が高いといえます。遺産分割協議が整えばよいのですが、これがうまくいかなければ家庭裁判所における調停→審判という手続が必要になります。中小企業の場合、経営者の個人資産と会社の資産との区別が困難な場合も少なくありません。事前財産の整理をしておかなければ、遺産分割協議の前に相続財産の範囲を確定する裁判が必要となり、決着までに非常に長い時間がかかってしまいます。そうなると、長期間会社の経営が不安定となり、最悪の場合は廃業という事態にもなりかねません。

 このような事態を防ぐためには民法(相続法)の活用が必須といえるでしょう。
 しかし、民法(相続法)の活用だけでも不十分です。なぜなら、一定の相続人には遺言でも奪えない遺留分という権利が民法上保障されているからです。例えば、先ほどの具体例を前提として、Aを後継者とするために株式を含むすべての財産をAに譲るという内容のXの遺言があっても、通常、BはXの遺産の4分の1を遺留分として民法により保証されているのです。そうなると、例えばXが総議決権数の51%という株式会社の意思決定を行えるギリギリの株式(議決権)しか有していなかった場合、通常Aは総議決権数の38.25%しか相続できませんから、会社の経営権を承継できなくなってしまいます。AとBの仲が悪ければ、会社の経営に重大な影響が生じかねません。

 このような事態を少しでも回避するためには会社法の活用が必須です。具体的には、黄金株の発行や議決権制限株式の発行等が考えられます。これらの制度の導入には定款変更をはじめとする多くの法的手続が必要となります。

 以上のように、事業承継を円滑に行うためには相続税対策のみならず、民法(相続法)と会社法の活用が不可欠です。中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(平成20年10月1日施行)の利用も考えられて良いでしょう。

 なお、時間をかければかけるほど、より円滑な事業承継が行える計画が立案可能です。事業承継には長期計画が最適といえるでしょう。事業承継に関する事前コンサルティングのご相談はお早めに。                       

183号 落ち込み遺伝子

1.今回(183号)は、「落ち込み遺伝子」です。

A.重い病気を告げられたり、金欠になったり、恋人にサヨナラされたり、・・・・「不運」と言われる事態のとき、ほとんどのヒトは、落ち込みます。
B.一方、道で転んだら、立ち上がろうとします。落ち込むひとはいないでしょう。自転車の練習で転んでも、おなじで、なんとか自転車の運転に慣れようとします。

A.B.いずれのカテゴリーに入る事態も、健康でありたい、お金がほしい、・・・・、ちゃんと歩きたい、自転車の運転に習熟したい等という「望みが叶えられなかった」ということでは同じです。

では、なぜ、A.とB.のカテゴリーで、ココロの反応が、消極v積極 に分かれるのでしょうか。

小生はこう考えています:
 A.カテゴリーの事態は、「失敗」であり、「不運」であると、子供の頃から、親や社会によって、教育されてしまっている。一方、B.カテゴリーは、親、社会によって、「成功に至るステップ」と教育されている。
 その教育が、大脳に刻み込まれてしまっているので、大人になっても、そのカテゴリーどおりの反応をしてしまう。
 従って、A.に属する事態に直面しても、大脳の回路を切り替えるために、思考、言語、非言語的表現を使って「よし、これで目標達成に一歩近づいた」「電球に向かない材料を、ひとつ、発見したぞ(エジソン)」などとすればよい、と思います。                          

中途退職者に対する留学・研修費用の返還請求

 会社は、労働者が留学・研修後に一定期間勤務せずに退職した場合、労働者に対し、会社が負担した留学・研修費用の返還を求めることができるでしょうか?
 会社としては、費用を支出したにもかかわらず留学や研修後ただちに辞められては困ります。そこで、労働者を足止めするため、会社が労働者に費用を貸与する形をとり、留学や研修後一定期間会社に勤務した場合はその返還を免除し、一定期間勤務しない場合には費用の返還を義務づける旨の合意がなされることがあります。このような合意は、労働基準法16条に違反しないのでしょうか?
 労基法16条は、労働契約の不履行について違約金を定め又は損害賠償額を予定する契約を禁止しています。その趣旨は、労働者が「違約金又は賠償予定額を支払わされることを虞れ、その自由意思に反して労働関係を継続することを強制されることになりかねないので、…このような事態が生ずることを予め防止する」こと(サロン・ド・リリー事件、浦和地判昭和61・5・30)、すなわち労働者の退職の自由の保護にあります。
 裁判例をみると、設問のような合意等が労基法16条に違反するか否かの判断において、研修・留学に業務性が認められるか否かが重視されています。
 業務遂行に必要な費用は本来会社が負担すべきであり、留学・研修の業務性が強い場合には、設問のような合意が形式的には消費貸借の合意であったとしても、実質的に違約金の定めや損害賠償額の予定と認められ、労基法16条に違反して無効となります。
 会社からの返還請求を認めた裁判例として、長谷工コーポレーション事件(東京地判平成9・5・26)、野村證券事件(東京地判平成14・4・16)、明治生命保険事件(東京地判平成16・1・26)があります。
 返還請求が否定された裁判例として、富士重工事件(東京地判平成10・3・17)、新日本証券事件(東京地判平成10・9・25)があります。 

182号 身体とココロ

1.今回(182号)は、「身体とココロ」です。

金欠、病気、暑さ、怪我・・・なんでもいいのですが、何か障害が出てきた場合、一瞬オタオタすることがあると思います。
でも、すかさず、「よし、この骨折は超回復だ!」「勝つぞ!」「行くぞ!」と、熱き血潮をたぎらせれば、不安などはすっ飛んで行くと思っています。それによって、免疫力も高まるし、何があっても「生きよう」とする、身体の方向性と、ココロの方向性が一致するわけですから、矛盾がなくなり(生き続けようとする身体と、死を考えるココロの間では矛盾が生じます。)、良い方向に発展すると確信しています。
なお、よく、テレビで、「わたしはガンです。これから闘います。」と宣言して亡くなっていった方が多数おられますが、それらの方々との違いは、身体とココロが斉一化することから生ずる強力なパワーを信じ、万が一、叶わぬ場合は、「どうせ、タダでいただいた命。返せと言うなら喜んで返します。」という大死一番の精神で突撃するかどうかの違いと思います。