天女の教え
もっと幸せに!
155 (楽しい人生への道しるべ)
天女の教え
<
↑
>
代表弁護士 米川耕一 平成18年5月25日
1.今回(155号)は、「天女の教え」です。
ある若い弁護士が山の頂にいます。目線で山腹の緑を辿ってゆくと遙か彼方には海がキラキラと光っています。同道したお医者様がおっしゃいました。「毎日毎日、激務で大変です。」。
弁護士
「お忙しいのは分かりますが、先生の闘いの相手は、細菌や壊れた組織などであって人間ではありませんね。弁護士は、常に人間が相手です。例えば、離婚訴訟だと、当方の依頼者の良い点をできるだけ多く探す一方、相手の悪い点をできるだけ多く探して、攻撃しなければなりません。相手に良い点だってあるでしょうに、勝つためには仕方ありません。矛盾を感じるときもありますよ。」
医師
「私達の仕事だって人間が相手ですよ。患者さんの訴えに耳を傾けて、最もよい治療法を考えなければならないのですから。愚痴も少なくありませんし、医師に八つ当たりする人もいます。」
弁護士
「なるほど。どちらの仕事も人間関係の苦労がしんどく、疲れますね。たった一人になりたいですね。」
2. 二人がため息をついていると、突然、空がかき曇り、辺り一帯が真っ暗になりました。
その直後、雲の一点から煌めく光がスッと射し込み、その光に乗って、天女が二人の前に現れました。
腰をぬかさんばかりにびっくりした二人に向かって天女がいいます。
天女
「では、人間関係を一切なくしてさし上げましょう。」
若い弁護士は、一瞬気を失いました。
気がつくと、元の山の頂にいますが、医師は消えていました。
山を下りて町へ来ました。
町は整然としていますが、誰もいません。
犬・猫、カラスすら。
携帯で事務所、自宅・・・と連絡を取ってみましたが、誰も応答しません。
走って事務所に飛び込んでみると、デスク、パソコンなど設備はそのままでしたが同僚、秘書など誰もいません。
クライアントに電話をしても誰も出ません。
電話の番号案内も出ません。
テレビも映りませんし、インターネットも不可。
その弁護士は、宇宙でたった一人になってしまったのでした。
天女に抗議しました。
すると、天女曰く「あなたの希望通りにしました。加えて、永遠の命も与えました。死んで、あの世で人間関係に苦しむのも嫌でしょうから。」
3.永遠に逃れられない絶対的孤独。
弁護士の潜在意識は、「発狂」を選びました。
4.そして、弁護士は夢から覚めて悟りました。
「人間関係の苦労も楽しい。」と。
*
以 上
<
↑
>