米川耕一法律事務所

ワイン催眠

 ワイン催眠 116号
  
 代表弁護士 米川耕一 平成16年12月9日

1.今回(116号)は、「ワイン催眠」です。

 この文章を読み進むうちに頭の中に楽しいイメージが広がってゆくことでしょう。

 ゆっくりと読み進んで気分爽快。

 あなたは、ここちよいざわつきに満ちたビストロにいます。

 場所はパリ。

 今日はボーナスをたっぷりいただいて、念願のワインを開けようとしています。

 ビストロには似合わないかもしれません。

 そして、あなたが心にしっかり刻んできたものはロマネコンティ83年です。

 このビストロのワインの管理が大変美しいのであえてこのワインをおやじさんに特注しておいたのでした。

 グレーの髪を流したロマンチックなソムリエが現れます。

 なかなかの紳士。ワインが抜栓されます。

 すぐに香りがパーッと広がってきました。

 気が遠くなるような心地よさ。

 ワイン畑の斜面が浮かびます。

 グラスにゆったりと注がれます。

 そして、ゆっくりグラスを傾け、色彩を楽しみます。

 なんと深ーいワインレッドでしょうか。

 エルメスのネクタイにこの色があったことを思い出すかもしれません。

 レッドの中に、ブルー、ブラウン、ゴールドといった来年のラッキーカラーが見えます。

 模様は見ているうちに刻々と変容します。軽やかなダンス。マティスが浮かびます。 

 香りをかぎます。

 鼻の奥を下から上へ、軽やかに進んで行きます。

 やがて、味わう段階。ゆったりと唇をグラスに近づけましょう。

 そっと触れます。

 グラスをゆったりと傾けます。

 今、あなたの意識は唇に向かっています。

 ワインが唇にそっと触れました。

 芳醇な香り、この世のものにあらざる味覚がゆっくりと広がってゆきましょう。

 この世にも完璧なものがありました。

 喜び、感動、感謝があなたの心の深奥から溢れ出てきました。

 身体が次第に温かくなってくるでしょう。

 リラックスしてもう一口。

 幸せです。

 本当に。

 その感覚を十二分に味わいましょう。

 幸せが心と体にますます広がってゆきます。
 
 そして、この豊かな感覚がこれからのあなたの人生を輝かしいものに導いてくれます。

 はるか彼方でこの最高のワインを作ってくれた人、

 大切に保存してくれた人、

 慎重に運搬してくれた人、

 やさしく抜栓してくれた紳士・・・・・・・・・・・、

 このたった一本のワインを取り巻く人々のことに思いを馳せてみましょう。

 あなたの労働、そして、あなたが支払うお金・・・・

 多くの人たちとあなたを結びつけてくれるのです。

 今夜もなんと楽しいことか。

 明日はもっと楽しくなるでしょう。

 ゆったりと。

 ゆっくりと。

 リラックス。

 ・・・・・・・・・・
    ※

     以 上