事 業 衰 退 

 2001年8月22日 代表弁護士 米川 耕一

1. 今回は、「事業の衰退、気付いた時はもう遅い。」です。


2. 老舗のホテルや旅館がどんどん倒産しています。
 また、Oホテル、Tホテル、Pホテルなどは倒産はしていないが、暗く活気がなく、先行きに不安を感じます。

 他方、新興のWホテルなどは溌剌として、新人ホテルマンに対しても思わず「君のサービスは素晴らしい!」と叫んでしまうほどです。


3. どのような業種でも同じですが、常に進取の気性を保っていないと知らず知らずのうちに陳腐化が進んでしまいます。

 まさに、「陽」の状態にあるときには既に「陰」が密かに進行しているのです。


4.経営者はこの密かな「陰」を察知し、「陽」のうちに次の手を打たなければなりません。「陽」の状態に安住していると気がついたときはもう遅いという時期に突入しているのです。


5.ところで、客足がバッタリ途絶えてしまったなどという「もう遅い」という時期にいたるまでに実は様々な「注意報」が発令されています。その「注意報」をキャッチできれば、まだ間に合うのです。


6.「注意報」をキャッチするには次にようにします。特に今回はサービス業について述べましょう。

 (1)顧客の心の変化に注意する。
 例えば、レストラン業では、かつては、小振りの店が「おしゃれ」と思われていましたが、最近はマンションも大型化しているようになり、大きいところに住む人が増えてきた結果、狭い・小さい所は快適でなくなり好まれなくなってきました。この動向をいち早くキャッチしたレストラン業者は大型化に向かって成功しています。

 (2)顧客のちょっとした意見を良く聞く。
 例えば、首・肩をぐるぐる回す客が多くなったら、店の狭さが気になっていると察知するのです。また、意見を聞くアンケートを実施し、賞品を渡すようにして情報収集を図ります。

 (3)顧客は婉曲な言い方をする事を忘れないように。
 お客がまだお客であるうちは、店と波風を立てないように気を遣っているのですから、不満があっても、当然、婉曲な言い方をするようになります。
 例えば、レストランで料理がうまくない場合でも「まずい。」とは言わず、「頑張っているね。」などと言うわけです。
 それを額面通り受け取っていては顧客の真意を知り損ねてしまい、気づいたときにはお客は去ってしまっているというわけです。


7.長く営業を続けている老舗は、古いままではなく、常に進化を続けています。常に変化・進化を忘れないように心をフレッシュにしておきましょう。
                      以 上












          









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米川耕一法律事務所