元気の出るものの見方      !

   代表弁護士米川耕一  2001年9月3日

1. 今回は、「元気の出るものの見方」です。

 先日、ある会社の役員の方からこんな電話が入りました。
 曰く、「自宅では隣家と境界争いで喧嘩が絶えず、会社に来れば労務問題が頻発して、精神的にくたくたになっています。ほとほといやになりました。」。

2. 問題が山積してくると心も身体も共に疲労の極みになることは良く理解できます。

3. ところで、そのような多忙な状況でも心が元気であれば、ストレスが軽減され、身体も元気でいられることはご理解いただけることでしょう。

 今回は以上のような状況でも心の元気のでるものの見方へ御案内しましょう。


4.まず次の問にあなたはどのように答えられますか。
 問:「人間ドックで完全に健康との判定、自由になるお金は10億円、仕事も家庭も安泰そのもの、ルックス・スタイル抜群で異性にもてもて、宝くじを買えば大当たり、このように何を取っても何の不自由もなかったとしたら、あなたの心は幸せですか。」

 本当にこのような幸せいっぱいそうなあるイタリア人の男性は、近づいてくる女性が全てお金目当てに見えてしまって相手が本当に自分を愛してくれているのか不安で心が安まらないと言っています。

 また、このような超幸福な環境にいるとそれに安住し、哲学や宗教を研究したりして自己の精神的成長を図ることは考えなくなってしまうでしょう。

 芥川竜之介の小説に「芋粥」というものがありますが、これは芋粥好きの主人公が山ほど芋粥を振る舞われて辟易としてしまう話です。

 つまり、多すぎる幸せは必ずしも幸福ではないのです。このことをまず理解してください。


5. 次に、先程挙げた例の境界争い、労務紛争などの不愉快な場面にあなたが登場するのは、あなたが登場人物として配役を与えられたと考えます。

 あなたは人生の一場面、しかも、大変面倒くさい場面であなた自身の頭で考える方法で活躍するように配されたのです。

 それは一種の人生ゲームと言ってもよいでしょう。あなたはありとあらゆる手段を考え、その場面を切り抜けるように強く要請されているのです。

 なぜでしょうか。それは、あなたがそのゲームに勝ち抜くことによって精神の成長をとげられるように仕組まれており、そのチャンスを恵まれたのです。


6.従って、苦難に直面したらあせらず落ち着いて「この場面を切り抜けるための知的武器はなんだろう。
 だれが必要な智慧を貸してくれるだろう。
 これによって神仏は私に何を教えてくれようとしているのだろうか。」などと自ら問うことです。 


7.このように冷静に判断し、その場面があなたの人間的成長にとって不可欠のものであるはずだということが分かってくると何のストレスも感じなくなってくるものです。


8.ここまでくれば不思議なことにあなたの目前の問題は氷解してしまうのです。それは問題を与えた意味をあなたがキャッチし、解決策を思念したからなのです。
             以 上  















           








米川耕一法律事務所
元気の出るものの見方