米川耕一法律事務所
感謝の技法
 感謝の技法        

 2003年8月11日 代表弁護士 米川 耕一

今回(72号)は「感謝の技法」です。


心の平安を得る、人間関係をスムーズにする、事業を発展させる、病気から早く回復するなど、およそ平和で楽しく生きるためには「感謝」することが大切であるとは古くから言い尽くされてきたことですし、実際に「ありがとうございます。」とは極々日常的に聞く言葉です。


ところで、あなたの上司が嫌いな人間だった場合、素直に感謝の言葉を言えますか?


また、生理的に嫌な人に対して、「ありがとう。」と心の底から言えますか?


よほどの聖人でないかぎり無理な話でしょう。


また、仮に言葉に出し得たとしても、心の深いところでは「自分は嘘をついている。」という罪悪感がつのるばかりでしょう。


その結果、あなたの健康などに良くない影響がでることもあります。


私は、いつも、普通の人間が実践できる心理的技法を考えるようにしています。


今回のような場合は次の技法が有効です。


嫌いな人間には、自分が精神的に成長するまで感謝をしないようにします。


潜在意識に罪悪感を刻むよりはましだからです。


その代わり、身近な無生物や想像上の人物に声をかけます。


例えば、レストランで感じの悪いギャルソンがいたら、「いやー、グラスがよく磨けているなー。」とグラスを誉めます。


車を降りるときに「安全に私を運んでくれて有り難う。」「こんな安全な車を設計してくれたメーカーの技術者に感謝します。」、家に対して「雨から守ってくれて有り難う。」「住みやすい家を作ってくれて有り難う。」、枕に対して「安眠を有り難う。」などと言いながら、同時に、例えば、職人が、枕を手作業で一所懸命作っている光景を自由に想像します。


隣の部屋には夕食の準備をする家族が忙しく、かつ、楽しそうに動き回っています。


あなたの心が平和になるような光景を創造してしまうのです。


こうすれば、感謝の気持ちが情感と共に深まります。


このような心の操作を続けていると、そのうち、自分の気持ちが広がり、自然に感謝の言葉が出るようになります。


その頃には、あなたの心の変化が元来あなたの嫌いな人の気持ちを自然に変化させ、その人物はあなたにとって嫌な人間ではなくなっているはずです。


そして、自然に「有り難うございます。」と言えるようになっているのです。 
                                    
                   以 上
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