2003年4月24日 代表弁護士 米川 耕一
1.今回は「もー、飽き飽きした。」です。
巷には不幸な人を元気づけようとする本があふれています。
この種の本は確かに元気が出るのですが、しばらく経つと元に戻ってしまいます。
このようなことを繰り返している人は多いと思います。
そんなことより、いっそのこと泥棒でもしたほうが気が楽だと思ってしまうこともあるでしょう。
2.また、いろいろ努力は続けてもなかなか成果が上がらず、お金は右から左に流れるだけで、自分は単なるお金の通過点に過ぎないと感じ、虚しくなる人もいるでしょう。
「こんな生活は飽き飽きした。なにもやる気がなくなった。」と思ってしまいますね。恋愛や結婚生活でも同じことが起きます。
3.そこで考えてみましょう。
なぜ、努力の果てに「もー、飽き飽きした。」という気持ちが出てくるのでしょうか。
「もー、飽き飽きした。」という態度はほとんどの人が「悪い態度」と考えます。
しかし、180度物の見方を転換して、それを「良い態度」と観じてみることができるのです。
4.よく考えてみると、努力の果てに、目標から心を離す気持ちがその言葉には含まれています。
それを挫折と見ずに、「執着を離れ、手放すこと」と考えるのです。
5.例えば、高校や大学受験の時のことなど努力をした時代を振り返ってみてください。
自分なりにベストを尽くして「結果はもう神様にお任せ。」という心境になったときに首尾良く目的を達成したということはほとんどの方が経験しているのではないでしょうか。
このように、努力の結果、後はお任せという心の態度が良い結果を産むのです。
6.「もー、飽き飽きした。」との言葉は、各人の努力が極限まで達した場合に発せられるわけですから、実は、大変良い段階まで来ているわけです。
いけないことは、実は、「もー、飽き飽きした。」を「悪いこと」と判断してしまう暗い思いこみにあったわけです。
「もー、飽き飽きした。」というところまで努力を重ねた自分を大切にするようにしてみてください。
以 上
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