84号 NEW!
2003年10月20日 代表弁護士 米川 耕一
今回(84号)は、「あきらめない。」です。
先日、法人タクシーに乗った際に運転手さんと話をしました。
会社の数多い同僚のなかでは、売上の高低に大きな開きがあるそうです。
高い売上をあげる人は、一日の売上目標を掲げ、それの達成に全力をあげ、仮に、思ったように売上が上がらない日があってもその目標数値を簡単には下げないそうです。
あきらめなければ、いずれその売上目標が達成されるとのことでした。
これとそっくりの結果をアメリカの心理学者が実験によって得ています。
目標を掲げて努力をしてゆくと、最初は努力に応じて成果が上がってゆきますが、しばらくすると、必ず、成果が横這いか、または、むしろ下落する時期が来ます。
その時点で目標を低く下げてしまうと、成果もどんどん下がってしまいます。
逆に、その時点でも目標を下げずに踏みとどまって我慢をしていると、一定の時間の経過とともに、成果がまた上がりはじめ、やがて、目標の数値に到達します。
この実験結果は、そのまま、営業努力と売上高の関係に置き換えることが出来ます。
なぜ、このようなスランプ様の時期があるかは分かりませんが、努力と成果が正比例するという私達の信念自体が誤っているとも言えましょう。
そうであるならば、「努力と成果の関係は正比例ではなく、いったん下がって、それから上昇に転ずるもの」と私達の信念を変更すればよいわけです。
不思議なことに、この原則は私達の周囲でよく経験されています。
例えば、風邪を引いたときには、必ずしも投薬とともに直線的に治癒するのではなく、いったん後退があり、それから本格的に回復してゆくことが多いでしょう。
私は、「後退」の時期に「忍耐できるかどうかを試されている」ような気もするのです。
以 上
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