1. 今回(198号)は、「白骨とわたし」です。
足下に見えるは 俺の骨か
白骨が やけに光って見えるぞ
白骨に筋肉がつき、脂肪がつき 皮がついて
俺が 人間であったころ 俺は何をしていたのだろう
仕事に悩み 金に苦しみ
失恋して絶望した
たしかに 楽しいこともあった
しかし 楽しみの時間よりも 苦しみの時間の方が 長かった
俺を人間に生んだ 親を恨んだこともあった
そして 産む能力を人間に与えた 神を恨んだこともあった
骨を残して 俺はこれから どこへ行くのだろう
生まれ変わるのだろうか それともどこか別の所へ行くのだろうか
大宇宙の中で 俺は ちっぽけな存在に過ぎないだろう
あっても なくても どっちでもいいような 存在なのだろうか
しかし 俺は ふと 思う
俺が大宇宙の中で 塵のような存在であっても
俺の意識は 宇宙の果てを想像できる
想像の中で 俺は宇宙を自在に旅することができる
夢見る俺 果てしない夢を見ることのできる俺
そんな力を 神は何故、俺に与えたのだろうか
将来へ思いを馳せ 苦しみ悩むこともあった
絶望の淵 死を考えることもあった
しかし 俺の 夢見る力は その絶望を はるかに越える
夢見るとき 実は 俺は 神と一体なのではないだろうか
そうだ 白骨よ さらば 俺は行く
俺は行く 無限の想像力を友に はるか大宇宙へと
俺は 飛び立ち 飛翔する
大宇宙を 自由自在に
2009/10/16
米川耕一エッセイ もっと幸せに!