米川耕一法律事務所

絶不調と絶好調

 絶不調のなかに絶好調あり。 112号
  
 代表弁護士 米川耕一 平成16年11月9日

 1.今回(112号)は、「絶不調のなかに絶好調あり。」です。

 季節は、秋から冬へ差し掛かってきました。落葉樹は葉を落とし、やがて幹と枝だけの姿に変化します。


 2.寒い冬を耐え、やがて春となると、芽が吹きはじめ、美しい新緑を見せてくれます。この変化のプロセスの最中、木自体は、何の努力もせず、ただひたすら、時の経過を待っています。時の経過と共に自然に全てがうまくゆくようになっているわけです。


 3.木と違って、人間は「選択の自由」をもってしまいました。会社の状態がよいと喜び、仕事が減るとガッカリ。その感情の動きは幼い時からの学習、あるいは何代にもわたる遺伝に基づく、悪しき「選択の自由」に基礎を置いています。「選択の自由」は、不幸なことがあると、習慣的にガッカリするという悪弊を人間につけてしまいました。


 4.木々の変化を考えてみましょう。すっかり葉を落としたとき、春に備えて、木の内部では発芽、新緑の準備が始まっています。もし、木が「選択の自由」を持っており、葉を落としたときに「あぁ、もうすっかりなくしてしまった。もう、ダメだ。」と考えたら、その思考どおりにプロセスが進行し、新緑は見られなくなるでしょう。


 5.絶不調は一面冬ですが、そのとき内部では新緑の息吹が生まれているのです。放っておけば、やがて、絶好調が訪れるのに、ガッカリという気持ちが、その息吹を消し去ってしまいます。


 6.絶不調のときは、「ここまで不調だから、これからは上昇、絶好調あるのみだ。」と考えることが自然の摂理に叶っているのです。そして、その思考のとおりに物事は展開してゆきます。
         
以 上