それでも死にたい気持ちのあなたへ
それでも死にたい気持ちのあなたへ
125号
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代表弁護士 米川耕一 平成17年5月13日
1.今回(125号)は、第118号の続きです。「それでも死にたい気持ちのあなたへ」。
2.「寝たきりの母親の介護を9年もせざるを得ず、職にもつけない、首をくくりたい。」
「いくら働いても、バブルの頃の借金返済に充てざるを得ず、手元に全くお金が残らない。このままでは老後が心配だ。いっそ、今死んでしまいたい。」
「ストーカーに刺されのではないかという不安に耐えられない。死んでしまいたい。」
「激痛に耐えられない。殺して欲しい。」
このような悩みに対して、気休めを言うことは簡単ですが、なぜ苦労を重ねて生きなければならないかという根本的な問題を解決しないかぎり、何を言っても、極限状況にいる人に対しては説得力がないでしょう。
3.結論から言いますと、私は、「生きることは権利であると同時に義務でもある。」と考えています。
受精を考えてみましょう。たった一つの卵子にほぼ3億もの精子が殺到し、たった一つの精子だけが卵子との合体を許されます。
その卵子、精子を作った両親もまた、それぞれが3億の中から選ばれた存在であり、そのまた両親も然りです。
長い生物の歴史の中で、数多くの「選ばれざる者」(これは物質としての精子のことではなく、受精していれば存在し得た生物、人間を意味します。)が死滅してきました。
あなたは連綿と続く生物の歴史のひとつの偉大な存在であるわけです。
こう考えてくると、簡単に「死んでしまおう。」などと考えられるでしょうか。
「選ばれざる者」の為に、生きる義務があなたにはあると私は考えています。
4.苦しいこともよく分かりますよ。私自身も激痛で夜眠れなかったこともあります。借金苦もありました。
しかし、無数の「選ばれざる者」のことを考える度、如何に激痛を取り去るか、如何に借金苦から脱出するかと、必死で智恵を絞り出して来ました。
自己催眠を習得したり、だれにも負けない営業テクニックを開発しました。
そして、生存の義務感にかられ、習得した技は、その後の人生の大きな宝になりました。
法律だけでは解決できない問題も解決できるようになりました。
義務は、大きな果実をもたらしてくれたわけです。
このような一種のシステムも周到に仕組まれたものと私は考えています。
5.今苦しんでいるあなたにこの文章が少しでもお役にたてれば私はとても幸せです。
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以 上
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