米川耕一法律事務所

魔法のランプ

 もっと幸せに! 154 (楽しい人生への道しるべ)
 魔法のランプ
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 代表弁護士 米川耕一 平成18年5月9日

1.今回(154号)は、「魔法のランプ」です。

2.魔法のランプを擦っていると魔人が出てきました。

「お前の願いをひとつだけ叶えてあげよう。」と言います。

青年は、「どんなことでも、思った通りに実現する力がほしい。」と答えました。

魔人は「ウーン。」と唸りましたが「それも一つの願いには相違ないから叶えよう。」と言いました。

3.それからというもの、仕事、お金、健康、異性と、何の努力もなしに、彼は、ありとあらゆるものを自在に手に入れました。

明日、1000万円が欲しいと思えばサッと仕事が来ます。

美人の恋人が欲しいと思えば、すぐに、相手からアプローチしてきます。

痩せたいと思えば、食欲がすぐになくなって、簡単に痩せられました。

何でもかんでも簡単に実現してしまうので、やがて、彼は飽きてしまいました。

4.「こんなことでいいのだろうか。」彼は考えました。

「一体、自分は何の為に生きているんだ。

苦労があって、それを克服するような人生の方が、まだ良い。」。

5.それからというもの、彼の元には、一気に、苦労の種が押し寄せてきました。

病気、破産、失恋・・・・・・。

彼が望んだとおりに。
彼は考えました。

「これでは苦労が多すぎて苦しい。苦労は、ほどほどで良い。魔人よ、苦労の種を減らしておくれ。」

6.白煙の中から魔人が現れました。

曰く、「それは出来ない。私は一回あなたの希望を叶えたのだから、苦労の種を減らすという別の願いを聞くことはできない。あなた自身が、楽に実現することはこれこれ、また、苦労はこれこれと決めて願わなければならない。そのとおりに実現する力を最初に与えたのだから。」

7.青年は、希望を区分して、願いはじめました。

しかし、直ぐに、深い悩みに陥りました。

苦労してもよいと区分したことであっても、苦労の中で、「解決の希望」を必ず、持つようになってしまい、全てが終局的には解決してしまい、また、そうなることを100%予想できるので、何の楽しみも無くなってしまったからです。

8.砂漠の地平線に沈み行く夕日を見ながら彼は悟りました。

「どうなるか分からない不確定な未来だからこそ、人生は冒険に富んでいる。

冒険に富んでいるからこそ、人生は楽しい。

誰も怖れて行かない未知の世界に向けて、果敢に、船出した船が難破・沈没したからといって、誰が、船出は失敗だったと言えるだろうか。」と。

      以 上   
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