米川耕一法律事務所
値切る人
 「値切る人」109号 
 2004年7月5日 代表弁護士 米川 耕一

1.今回(109号)は、「値切る人」です。

 ある有名人から立退交渉の依頼をうけました。その有名人がテナントとして入っているビルの一室の明け渡しを求められているが、薄気味悪い相手方であるし、できるだけ多額の立退料をいただいて立ち退きたいとのこと。


2.受任に先立って、報酬は立退料の何パーセントと合意しました。交渉が進み、立ち退きの合意ができました。

 その頃から依頼者の態度に変化が出てきました。新しいビルへの入居について多額の費用がかかるので値引きしてほしいとのこと。

 そのようなことは値引きの理由にはなりませんが、善良そうな方でしたので、値引きしました。すると、しばらくしてまた値引き要求云々。


3.依頼者が立派な紳士の外観をしていましたので私はすっかりその人が人格的にも立派な人であると信じ込んでしまっていたのでした。しかも、無意識のうちに。

 ある時点から再三にわたる値引き要求に断固として「No」と言うようになりましたが、「紳士」は、今度は「訴えを提起する!(FILE!)」などと訳の分からないことを言い出す始末(いったん報酬の合意をしているのですから、その「紳士」の主張は100%通りません。)。


4.私は、「紳士」の理不尽な我が儘に対し、怒り、その「紳士」を破滅させる念を送りかけましたが(本シリーズ103)、思いとどまって、別の心理テクニックを使うことにしました。


5.「紳士」に遠隔催眠をかけ、また、支払督促もせずに、「恨み」のエネルギーも使わずに、潜在意識を利用して、支払を完了させてしまうというものでした。


6.やがて、「紳士」は、手のひらを返したように私に非礼を詫び、当初の約束どおり、報酬全額を支払ったのでした。


7.このように潜在意識を活用すれば、不当なことに腹を立てることなく、こちらの希望を叶えることができるのです。その結果、益々健康増進。

                       以 上


(次)


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