2002年12月6日 代表弁護士 米川 耕一
1.今回は「混沌の中から」です。
古事記を見ても、また、聖書を見ても、この宇宙の始原は天地の分かれざる混沌とした状態であったと書かれています。
かのトヨタでさえ、1950年の頃には倒産の危機があり、混乱のなかから創意工夫によって立ち直り、以前に増す発展をとげました。
太古から、混沌は大発展のチャンスを潜在的に擁していると人類は認識してきたはずなのです。
2.なぜ、混沌から大発展がありうるのでしょうか。
整然とした状態においては、AならばB、PならばQと物事の関係が確定しています(量子レベルの話は本稿では触れません。)。
しかし、混沌とした状態においてはこのような確定的な関係がありません。
AがCやDに結びつく場合もあるわけです。
これは脳の神経回路の発達や突然変異にも見られるところです。
そのような不確定な結びつきが大発展を引き起こすことがあると私は考えています。
もちろんその反対もあるわけで破綻となることもあります。
3.混沌あるいは混乱の状態が決して悪いのではないことは分かった。
しかし、そこからどうして大発展に結びつけるかが次の重要なテーマとなります。
それには先人の経験が大きなヒントになります。
大発展を経験した先人に共通して言えることは@明確な目標を持っているAその目標実現のため努力を惜しまないBリラックスしたとき、つまり「フッ」と息を抜いたときに思わぬヒントを思いついたり、予想もしなかった解決策が与えられるということです。
4.私自身の実例をあげましょう。
私が弁護士になって初めて担当した難しい境界確定の案件がありました。
一審は当方が負け、二審を私が担当することになりました(目標設定)。
判決を何度読んでも最初は何がなんだかさっぱり分かりませんでした(混沌状態)。
土地家屋調査士さんの助力を得て、多角的に研究しました(努力)。
五月の連休に入り、事件のことをしばらく忘れました(リラックス)。
連休明けに「これだ!!」と解決策がひらめきました。
そして、大逆転勝訴となりました。
5.以上の理論は会社経営にも当てはまります。
混沌は決して悪いことではないのです。
以 上
(次)
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