米川耕一法律事務所
結婚論 
    結 婚 論    
              

2003年4月17日 代表弁護士 米川 耕一


 1.今回は「結婚論」です。


  私は、これまで数百の離婚案件を取り扱って来ましたが、これらを通じて離婚、結婚についていくつかの確信を抱くようになりました。


 今回のお話は離婚問題や結婚生活で悩んでおられる方ばかりか、これから結婚される方のお役にも立つと思います。


 2.なぜ結婚するのでしょうか。


 模範的な答えは「愛しているから。」でしょう。


 では、なぜ愛していると結婚するのでしょうか。


 好きだからいつも一緒にいたいという気持ちであれば、同棲だけすればよいのであって、籍を入れる必要はないでしょう。


 籍を入れるということは「相手方を束縛したい。」または「相手方に束縛されたい。」との深い気持ちの反映だと私は思っています。


 つまり、人間として一番大切な「自由」の一部を結婚の対価として失っているわけです。


 ここに結婚の潜在的矛盾があり、この矛盾が破裂したものが離婚紛争であるのです。


 そして、この潜在的矛盾の程度は極大から極微まで様々です。


 3.私の経験上、離婚紛争を経て調停などで和解にいたるとそれまでの不幸(老親の介護、勤務先での不始末など)から嘘のように脱却する人が大変多いのですが、これは、長年苦しんだ潜在的矛盾が紛争を通じて解消され、それまでの潜在的・顕在的葛藤状態から脱することができたことによります。


 つまり、結婚における矛盾が奇しくも紛争を通して、解決してしまったわけです。


 その意味で、離婚紛争は必ずしも不幸ではなく、人間の最も大切な自由を回復するための闘いと考えられるのです(当事者は意識していませんが。)。


4.話は変わりますが、不倫によって本妻から男性を奪った女性は子宮癌になる例が大変多いように思います。


 これは、人のものを奪ったという潜在的罪悪感による自己処罰と私は考えています。


 不倫に成功した女性は、一見、一人の男性を巡る紛争に勝利したかのように見えますが、自己の潜在意識により罰せられ、実は自由を失った敗者であり、重篤な病という地獄に落ち込んでゆくことになったわけです。

 
5.結婚をこのような視点から考えることは、実は、「全てのものごとを本質からとらえなおしてみる。」という発想に基づいています。


 会社経営についても同じことが言えるわけです。
  
                        以 上

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