2003年8月27日 代表弁護士 米川 耕一
1. 私は、ストーカー問題の解決については絶対の自信をもっています。
今まで、必殺技を使って、百発百中、ストーカーを消し去ってきました。
2.ところが、かつて、被害が軽微になったものの、私の必殺技をしても、完全撲滅できない案件が発生したことがありました。
御本人に、ストレス性の耐え難い足の痛み、悪夢、金縛りが残っていたのです。
3.私は熟慮に熟慮を重ねました。
その結果、被害者と、その父、その母、ストーカーとの複雑に絡み合った心理戦争とも言うべき隠された原因を推認しました。
幼少期の被害者に対する愛する父による性的行為(珍しくありません。)、それに対する母の嫉妬と娘(=被害者)に対する罰。
理解できない罰に対する娘の不安と父への反転憎悪。
父子関係を転移したストーカー・被害者の愛憎半ばする関係が浮かび上がってきました。
4.御本人の心理分析をしてみると、思ったとおり、被害者と父母との幼少期からの深い愛憎問題があり、それを被害者が無意識のうちに引きずっていたのでした。
5.カウンセリングの結果、心の痛みを原因とする足の痛み、悪夢、金縛りという現在の症状は消滅しました。
残された問題は、暗く長い尾を引いている父母ー子(被害者)の根本問題を解決することでした。
その解決ができなければ、被害者は、別のストーカーを引きつけてしまうことがあるからです。
6.私は、事務所の個室で山籠もり状態になって、考え抜きました。
「父はストーカーに転移している。 そうだ 母親もどこかに転移しているはずだ!」と閃きました。
被害者が、幼少期から罰を下され、怖れ、そして、いつか逆襲を誓った対象である母がどこかに転移しているはずなのです。
「どこだ? どこだ?」と探しました。
遂に発見しました。
お嬢さんをお持ちのその被害者は、自分自身が、自分の母親役を演じていたのでした。
つまり、母親は自分自身に転移していたのです。
被害者は、自分自身を憎悪し、自分自身が不幸になることを望み、ストーカーから命を狙われることに満足していたのでした。
ただし、本人の知らない無意識のうちで。
7.心の解放は「母親を許すこと」からスタートしました。
母の被害者に対する虐待の原因は、父(=夫)から愛を受けられなかったこと、父母の絶えざるけんかは母の悲しみから出ていたことを被害者は理解し、やがて、母を許すようになりました。
併せて、父の代理であるストーカーへの潜在的愛情を消滅させました。
かくて、本件は根本から解決したのでした。
以 上
(次)
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