79号
2003年9月17日 代表弁護士 米川 耕一
今回(79号)は、「売上急落→どうしよう。」です。
売上が急落すると、「なぜだろう?」と考える方はまだ良い方で、それすら考えられず「困った。困った。」の連発に終始する人もいます。
私は、ずばり、このように考えます。
「売上急落という現象の良い面は何だろう?」と。
何故なら、全ての現象は陰陽(=良い面と悪い面)の両面を併せ持っているというのが私の悟りの一つであるからです。
再三申し上げますように、三つ子の魂百までという諺のとおり、親や学校による幼児期からの意識、無意識の教えは大人になっても潜在意識に染みついています。
「下がることは悪いこと」→「売上減は悪いこと」→「売上急落は最悪」という図式が立派な(?)教育の御陰で染みついてしまっているのです。
しかし、よく考えてみてください。
売上が減るからこそ、その原因を探求しようという気持ちになりうるわけですし、それを怠った場合には売上の急落というもっとドラスティックな現象が出現し、気づきを迫ってくるわけです。
そして、原因が解明され、あるいは、気づきにいたれば、これまで以上の発展の波に乗ることができるのです。
さらに、売上急落の結果、仕事がなくなり、時間的余裕ができれば、新しいことを企画立案することも出来るようになります。
多忙な時には到底出来なかったことが出来るのです。
物事には「図」と「地」があります。
あなたは、杯の左右に人の顔が向かい合った絵を御覧になったことがあるでしょう。
見方によって、杯が出っ張って見えたり、顔が出っ張って見えたりと変化します。
出っ張って見えるものを心理学では「図」、その背後に残るものを「地」と呼びます。
経営についても同じで、売上が落ちていることを図として見るのか、あるいは、地として見るのかによって、その現象があなたに訴えて来ていることの捉え方が変わって来るのです。
優れた経営者になるには、一見良いときも一見悪いときも、何を図としてみるのかという心構えを念頭に置いていただきたいと思います。
以 上
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