風と共に去りぬ
風と共に去りぬ
44号
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代表弁護士 米川耕一 平成14年1月7日
新春第一号です。
今回は、「風と共に去りぬ。」です。
お正月に名作「風と共に去りぬ。」を再度見ました。
他の芸術と同じようにこの作品もいろいろな見方ができると思いましたが、今回は、新春にふさわしい見方をしてみたいと思います。
南部の大富豪の娘である主人公スカーレットは日々我が儘三昧、贅沢三昧の生活を送っていましたが、南北戦争の敗戦によって、家族、財産、名誉など全てのものを失ってしまいます。
しかし、悲しみに打ちひしがれているうちにスカーレットの心の内奥から、生まれ育った土地タラへの深い愛情が次第に芽生えだし、スカーレットは力強く立ち上がり、盗みだろうが殺人だろうがなんでもして「生き抜く」ことを決意し、その決意を神に誓うのでした。
もちろん、盗み・殺人を主人公が犯すわけではありませんが、それほどの強固な決意を固めた姿は感動的でした。
このタラを基盤とした「生き抜く決意」は、勝ち気なスカーレットを愛するレット・バトラーがスカーレットのもとを離れる最後の場面でも繰り返されます。
南部が敗退することはレットが予想したとおりでしたが、その原因は南部の指導者層が時代の変化を読みとれなかったところが大きいのでしょう。
しかしながら、翻って考えてみると、この誤りや敗退がなかったらスカーレットは単なる我が儘お嬢様で一生を過ごし、生活は大変でも、日々の生活を生き生きと、かつ、前向きに生きることはなかったでしょうし、心の底から神に向かい合ったこともなかったでしょう。
そして、どちらの生き方がスカーレットのその後の精神の成長に役だったかは明らかです。
もちろん人間として生まれてきた以上は、人生を楽しむことも大切ですが、苦境にあるときはそれなりの意味があるわけです。
この点をさらに考えてみますと、スカーレットにはタラという土地が強固な精神的バック・ボーン、ふる里となっていたために、苦境をものともせずにこれに対処できました。
私たち経営者もスカーレットのように心をできる限り強く持ち続ける必要がありますが、その為には、まずは「自分のタラ」を持つことが必要でしょう。
「タラ」は、心の安らぎを得られ、かつ、力の源泉となるものです。
それは、信仰の場合もありますし、人生哲学の場合もあるでしょうし、家族や愛する人の場合もあるでしょう。
常に自分のタラに意識を向けて努力すれば道は拓けると私は信じています。
以 上
このページは、
米川耕一法律事務所
のコラムです。
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