197号 全てはひとつ

1. 今回(197号)は、「全てはひとつ」です。
 中高年向けのSNSでの話です。
簡単相談コーナーで、「56歳、働こうと思ってもろくな仕事がありません・・・・」と。
 いろいろなコメントが寄せられていますが、個人的には、「仕事に、ロクも、ロクでない、も無いのでは?」と思います。
 そう考えるのは、「この一瞬が全て」と思うからです。
 例えば、温泉に入浴という瞬間。旅行できるだけの時間、お金、健康がなければならないのは無論のこと、世の中が平和でなければならないでしょう。その旅館を建てて維持するひとも関与していますし、建設業者もいました。
調理をするひと、運ぶひと、・・・・・・そして、その方たちを支えた家族、その祖先・・・
 さらには、過去から現在まで光り輝く太陽や、水、空気がなければ温泉はできません。加えて、その場を彩る鳥や草木も不可欠です。その生物の祖先も不可欠。
 このように、「この瞬間」には、無数の関係者や関係物が、関与しています。
 ろくな仕事、ろくでもない仕事も、同じく、無数の関係の上に成り立っていて、直接・間接に繋がっています。そうであるならば、それぞれの仕事は、みな、全体の一部であって、その質に差異はないと思います。

196号 この瞬間を

1. 今回(196号)は、「この一瞬を」です。
いま、この一瞬
この一瞬は、過去の全ての歴史の集積

過去。
楽しいときもあったし、悲しいときもあったし
狂喜したときも、絶望のときもありました

電車の前の席
座る若い男性
足を投げ出し、ふてくされ、投げやり
気持ちは察します

しかし、その不満のなかには、過去の微笑みが隠されているはず
そして、今の姿勢は未来を、創って行くはず

どうでしょうか。
いま、この一瞬だけでも
幸せだなあ と
微笑んでみたら
せめて、一所懸命に生きようとしている
60兆の細胞のために

195号 微笑み

1. 今回(195号)は、「微笑み」です。
わたしの仕事は ソムリエ
ほほえみながら ワインを注ぎ
ほほえみながら お話をする

家にかえれば ほほえむことがない
苦しみ 悩みが わたしを虜にするから
過去に対する悔悟 未来に対する不安
わたしのこころに 安らぎはない

ほほえむあなた 苦しみあなた
その両方を 上から見てみたらどうだろう
どちらも あなた
ほほえむあなただけを愛し 悲しむあなたを捨てることなど
どうしてできようか

悲しむあなた 微笑むあなた
どちらも あなたでは

両方のあなたを 愛すること
全てを愛すること
そんな視点を持つことのできる
あなたは素晴らしいひと
そんなあなたをわたしは愛しています

194号 地下の行(じげのぎょう)

1.今回(194号)は、「地下の行(じげのぎょう)」です。
相手から逃げない
まっすぐ向き合うこととする

相手を無視しない
支払が遅れたら 自らすすんで丁重に謝罪する

この俺が自分から謝罪することなど・・・
と、思い上がっていなかっただろうか

頭をガーーンとぶったたかれて
すべては、「ひとつ」とやっと知る

地下の行
これをやらせていただけるのは
自分に困難が生じたから

地下の行
この状況に感謝しよう

さあ 便所掃除でも皿洗いでも
すべては地下の行
喜びをもって実行しようではないか!

193号 全てはひとつ

1. 今回(193号)は、「全てはひとつ」です。
「なぜ、債権者と債務者は対立するのだろうか?」
債権者は、お金の回収が出来なかったことによって、資金管理の改善方法を学ぶかもしれません。
その意味では、回収ができなかったことは良い面もあり、その面については、債務者に感謝すべきかもしれません。

 「なぜ、俺は、こんなについていないんだ。」昨日、電車の中で、私の前の若者がドアを叩きながら呟いていました。
司法試験不合格かもしれませんし、彼女に振られたのかもしれません。
(悪因縁の解消などという「戯言」は私はいいません。)
しかし、それらは、より自分に合った職業につくというプロセスかもしれないし、彼女より自分に合った女性が出てくる可能性もあります。
そうであるならば、実は、「俺は、ついてる!」のはずです。

 さて、これらの例のさらに奥深くに、根源的な世界の認識の問題があると私は考えています。
 それは、債権者と債務者は対立している別の存在だ、彼女と俺は分離した別の存在だ、という分離意識です。

 試みに、対立する相手の服、肉体すべてを取り去って、純粋な本質(それを「魂」と呼んでもいいのでしょう。)だけを見るように考えてみると、一瞬のうちに、世界の認識が全く異なってくるでしょう。こわばった御自分の顔の表情が緩んできたと思います。

 相手と私、これが実は不可分の「ひとつ」の存在の一部に過ぎないと見ることができたら、ずっと昔から、世界は貴方に微笑んでいたことに気付かれるかもしれません。
感謝